沖縄は年中行事やご先祖様を大切にする考え方から、仏壇ごとや法事など、忙しく感じる方もいるかと思います。
今回は、男性の多い職業、住職として活躍されている、桃縁寺の崎間住職に法事や仏壇ごとなどについてお話をうかがいました。
住職になったきっかけ
もともと年中行事を大切にしており、沖縄の風習やご先祖様について親しみを持っていました。自分のルーツについて興味があり調べていく中、沖縄戦により命を落とされたご先祖様が多くいる事を知りました。その子孫である私が「ご先祖様のためにお経文をお唱えしたい」という強い想いがこの道へ入るきっかけとなりました。
南部地域からお勤めがはじまりましたが、ご指名をいただける機会も多くなり、徐々に自立をしたいと思う気持ちが高まり、出身地である中部地域、沖縄市山内に2022年「桃縁寺」を建立し独り立ちしました。

修行やお勤めの経験が増えていく中で、知識も身に付けられましたが、お勤めは一つとして同じことはなく、毎回初めての出会いなので、初心の想いは何年経っても変わりません。
法要はお坊さんと故人さまのやり取りと客観的にみられがちです。
法要に参加される方の気持ちを1つにする、関心を持ってもらう流れを作るため、ひとつひとつの所作の意味について分かりやすいように、細かく説明させていただいています。
「この時間はこんなことを考えてもらえるとよろしいですね」
「ウチカビというのはこういった意味合いがありますよ」
「手に取っていただいたのは、みなさんの温もりも感じていただけるように」
など、最後まで説明をするように心がけています。
読経だけでは伝わらないことも、 こういった心持ちで居ればいいですよと、心持ちについて前もって伝えることで、 参加されているおひとりおひとりが、 その場の居方がわかるようになり、心をひとつにすることができます。
決して難しいものではなかった、自分が居る意味があると思ってもらえたらと思います。
ライフワークバランス
お勤めを負担に感じたことはありません。
法要は日程変更ができないこともあり、代わりがいませんので、良いパフォーマンスのためにも、心を豊かに、特に体調管理には気を付けています。
遠方への移動は自分で運転するため大変ではありますが、お勤めに入ると、 不思議とリセットされます。
また、睡眠は7時間位とり、早寝・早起きをこころがけています。
口から入れるもので体はできているので、食事はYouTubeで栄養士さんの料理を参考にしたり、主に発酵食品を多く取るようにしています。また、毎日、朝・夕の犬の散歩を欠かさず、体を動かすようにもしています。
甘いものや間食を全くとらないわけではなく、チョコレートであればカカオ70%以上を選んだり、体に良いとされているアーモンド類をおやつに食べます。

目まぐるしい毎日の中で、心のリフレッシュも常に心がけています。
お寺の休憩室には自分の好きな空間を設けて、心をリセットし過ごせるスペースにしています。
自宅とは別に自分の居場所を持つことでお勤めの合間や後にリフレッシュできています。
箸は使わない!灰が舞い上がりにくい!ウチカビの焚き方
アルミの敷き方
水を入れたタライの網の上に、アルミホイルを縦・横に、長めに2枚を互い違いに敷き詰めます。 中央に、穴を数か所開けます。

ウチカビは半分に折る
ウチカビを数枚手に取り半分に折ります。半分に折った際に、開いている端1ヵ所を手で軽くにぎります。

軽くにぎった部分にスキマができるため、空気の通り道になります。
軽くにぎった部分に火をつけ、タライに円を描くように1束ずつずらして重ねていきます。 重ねることで押さえになるため、灰の舞い上がりを抑えることができます。
風が影響しないように注意しながら燃えるまで静かに待ちます。

お供えのお酒・お茶・水をかけ、アルミホイルの縦・横の長い部分を中央に重ねるようにまとめます。穴をあけているので水気を切ることができ、コンパクトにきれいに処分できます。
あるだけで良い!ヒヌカン(火の神様)は通信回線

日頃からお手入れや手を合わせることができればもちろんいいですが、仕事に家事に育児に忙しく、一日・十五日を欠かさず守っていくことが難しい場合もあります。
忙しい時などの状況も見守ってくれているヒヌカンは、お家にあることが大事で、決して負担になってはいけないものだと考えています。
ヒヌカンは見守ってくださる方との連絡手段、現世でいう電話やWi-Fiなどといった通信回線のようなものです。
子供の受験や引っ越しなど、ここぞ!という時にしっかり手を合わせることができればOK!ぐらいの気持ちでいいんです。
お墓・仏壇への向き合いかた
沖縄は法事やお墓、仏壇ごとなどご先祖様から受け継がれてきたものがたくさんあります。
時代の移り変わりの中で、身内や関わる方が少なくなり、ご自身でのご供養を終わらせることを検討される方もいます。 しかし何十年、何百年と継承されてきたものを終わらせるのは一瞬で簡単ですが、これまで沖縄固有の信仰が家族、一族間の絆を強め、またその信仰心が心の安定につながっていると 、多くの訪問先をみて私自身が実感しています。
「将来どんな向き合い方がよいのか、次世代へ繋げていくためにはどうするか」は、とても大切なテーマなので、ご家族でもじっくりと話し合っていただきたいです。
私自身はこれからも 様々な儀式を通して、沖縄に残る風習や慣わしを大切にし、ご縁の方々のお手伝いができるよう頑張って参ります。
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あらゆるご相談承っております。
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法要の様子など随時発信中
https://www.instagram.com/touenji.okinawa/
【桃縁寺(とうえんじ)】
〒904-0034 沖縄市山内2-25-25
TEL・FAX:098-936-6560